バニラ農家とその圃場
アフリカのインド洋に浮かぶバニラの産地として有名なマダガスカルは、人口2,300万人。1世紀ごろにインドネシア、マレーシア付近から渡ってきた人々が島の祖先であることから、国民はアジア系が多く、お米を主食としています。国民一人当たりのコメ消費量は世界一ですが、不作により自給することが出来ず、毎年1割程度を外国からの輸入に頼っています。国民の8割は農業で生計を立てており、収穫物が無い時期は生活が苦しくなり、農薬や化学肥料を購入するため時には借金せざるを得ない状況にあります。
学校の圃場
このプロジェクトは、マダガスカルのソロプチミストメンバーであるヤンナ氏が秀明自然農法のことを知り、「私の貧しい国の農民たちを助けてほしい」との要望がきっかけでした。 コミュニティに小さなポンプを支援し、堆肥づくりを指導するところからスタートしました。
自然堆肥作りを学ぶ子供たち
2013年、自然農法の普及と農民のサポートを行う現地アソシエーションが設立され、首都近郊では2014年現在10名の農家が秀明自然農法のデモンストレーション圃場を作り、地域への拡大に向けて動いています。また、首都から70キロ離れた児童約50名の村の小さな小学校でも自然農法の取り組みを開始し、子どもたちは秀明自然農法の理念を学習し、作物を育てる過程で日々学びを得ています。畑作りには子どもの親たちも積極的に協力し、参加しています。
自然農法実践農家と現地アソシエーションメンバー
自然農法で栽培された甘い濃厚な香りを放つバニラは日本に輸入され、現在はMIHO MUSEUMの食材として使用されています。まだ始まったばかりのプロジェクトですが、今後の展開が期待されます。