自然農法を研修した2人の青年がネパールに戻り、プロジェクト開始


ネパール プロジェクト

世界最高峰のエベレストで知られるネパールは、アジア諸国の中で最も貧しい国に位置づけられ、国家予算の4割を国外からの援助に頼っています。国民の7~8割は農業で生計を立てていますが、近年の気候変動により干ばつや洪水に見舞われ、深刻な影響を受けています。また近年、近隣諸国から農薬が安く購入できるようになり、昔ながらの農業を営んでいた山間部にも農薬や化学肥料が浸透しています。農業の近代化が進む一方で、知識不足による農薬の過剰使用が原因で、深刻な健康被害を招いています。ネパールでは農業の他、医療や衛生、教育、都市と農村の格差などさまざまな問題を抱えています。


支援の経緯・内容

2013年より、ネパールのカンドバリにあるスルヤ・ボーディング・スクール校内でブロッコリーや生姜、ジャガイモなどの野菜栽培を秀明自然農法で取り組んでいます。


同校は、4歳から17歳の子ども700名が通う私立学校で、1988年、アメリカ在住の起業家ナラヤン・シュレスタ氏によって設立されました。ネパール出身のシュレスタ氏は、アメリカ・コロラド州で起業、その後、問題を抱えるネパールに貢献したいと、生まれ故郷のカンドバリに病院や学校などと設立しました。


2012年、同校の教員2名がアメリカ・コロラド州・クレストンにある秀明国際交流センターで1年間、自然農法の研修を受け、この2人が中心となって、学校の授業に持続可能な野菜作りを通して子どもたちに環境教育を行い、自然を尊び敬う心を養っています。また、最近ではMIHO美学院中等教育学校の生徒と、手紙やビデオメッセージを通じた国際交流も行われています。そして、学校のみならず、地域で秀明自然農法に取り組む農家に対して技術的なサポートを行い、農業を通じた環境改善に取り組んでいます。